つつみ鍼灸整骨院BLOG

2024.06.11

膝関節の痛みの軽減に有効な運動は?

院長の松岡です。

 

 

 

 

 

今回はどちらかというと、ちょっぴり医療従事者向けの内容です。

膝関節周囲のトレーニングの一つである【パテラセッティング】を御紹介したいと思います。

 このトレーニング法は主に大腿四頭筋を鍛える運動として知られています。

 膝関節の関節運動にとって、大腿四頭筋の働きは非常に重要です。

 

大腿四頭筋は大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋の4つの筋から構成されていますが、臨床上なかでも最も筋萎縮が起こりやすく、膝関節の伸展力向上、膝蓋骨の安定化に重要といわれているのが「内側広筋」です。

内側広筋は重要な役割を担う筋肉であるにも関わらず、筋萎縮が起こりやすいです。

 

であれば、当然四頭筋全体をトレーニングするよりも、内側広筋がより収縮する方法でのトレーニングの方が望ましいです。

 

今回私が紹介するパテラセッティングは、特に内側広筋の筋収縮が優位になる方法ですので、効率的に膝関節の歩行機能の向上や関節痛の軽減が期待できます。

 

是非ご自宅でおこなってみてください。

 

  • ①長坐位の状態で膝の裏に厚めのタオルを丸めて入れます


 

 

 

 

  •                                             
  • ②膝関節を屈曲し、膝の内側にタオルもしくはボールを挟みます

 

 

 

  • ③このボールを内側に挟み込みながら膝裏のタオルを強く押します

この運動は等尺性収縮ですので、血圧が上昇しないように息はゆっくり吐きながらおこなってください。

 

 

 

 

 

 

 

④サポートしてくれる方がいる場合、膝窩に手を入れてもらい、力が膝の直下に伝わっているかチェックしてもらうと良いです。ちなみに内側広筋は完全伸展で収縮し、四頭筋の中で一番最初に弛緩するともいわれているので、セッティングの際は、完全伸展は必須です。

 

 

 

 

 

 

また、内転動作をいれる理由は、内側広筋と大内転筋の腱は、膝関節周囲で癒合しているからです。国内のある研究においても内転動作を入れた方が内側広筋の筋活動が増加していることが報告されています。

  • この動作を30回毎日おこなってください。なれたらもっと増やしてみても良いです。

 

 最後に、パテラセッティングは等尺性収縮ですので、関節の可動域はさほど要しませんが、通常一般的におこなわれているレッグエクステンションやレッグカールをはじめとした膝関節周囲のトレーニングは脚力向上に、有効ですが前提条件として、膝関節の関節可動域が正常・もしくは正常に近い状態にあることが非常に重要です。

私の考えでは、正常可動域が不十分な状態であるならば、まずそこを治してから望むのがベストです。

 ちなみに膝関節の正常な可動域は、うつ伏せの状態であれば、踵がお尻に着くこと。もし付かないのであれば、筋短縮などによる質の低下、もしくは関節の拘縮(関節が硬くなっている)可能性もあります。(痛みで可動域制限がおこっている場合は別です)また、この状態でのトレーニングは、筋出力も本来よりも低下するため、筋肉自体も付きにくいです。

 また、今回はパテラセッティングの紹介ですので、このような形で紹介しましたが、ADLを考慮すると当然OKC(オープンキネティックチェイン)よりもCKC(クローズドキネティックチェイン)の方が効果的です。まあ当然ですよね。

 ですので内側広筋の筋力強化に特化するのであればクローズ状態でスクワット+内転動作を立位でおこなう運動がベストではないでしょうか?(年齢的・身体能力上可能であれば)

お悩みの方は是非、ご相談ください

2022.12.20

インナーマッスルとアウターマッスルについて

こんにちは。つつみ鍼灸整骨院の根本です。今回はインナーマッスルとアウターマッスルについて説明します。

 

 

 

 

アウターマッスル、インナーマッスルって何?

まずは簡単に、筋肉は人体に600以上あり、体重の約40~50%を占めています。筋の役割は主に、「運動機能」「姿勢保持・軟部組織の支持」「物質の貯留・移動」「熱の産生」などがあります。

インナーマッスル
身体の深層にある小さな筋肉で、肩関節や股関節など様々な骨の周りにあるとされています。インナーマッスルは、身体の深部で関節を安定させたり、脊柱を支えたりする働きがあります。インナーマッスルがしっかり働くことで、姿勢の保持がしやすくなり、身体の安定性がとれます。また、内蔵を支える働きもあります。

アウターマッスル
表層にある比較的大きな筋肉(大胸筋、大殿筋、大腿四頭筋など)の事をアウターマッスルと言います。一つ一つの筋肉が大きく、強大な力を出すときに使う、関節を動かす役割を持っています。ウエイトトレーニングなど、筋トレで鍛える事が出来るため、体格が大きく変わるなど、見た目が変化しやすい特徴があります。そしてアウターマッスルの役割としては、大きな力を出す時に使う筋肉、衝撃などから骨を守るという役割があります。

 

 

 

 

 

鍛えることで、、、
アウターマッスルとインナーマッスルを鍛えることは、様々なメリットが期待されます。アウターマッスルでは、「身体の引き締まり」「パフォーマンスの向上」などが期待されます。インナーマッスルでは、「身体の安定性ができ、綺麗な姿勢を保つことができる」「内蔵をしっかりと支える」などが期待されます。

鍛えるには、、、
アウターマッスルの場合は、ジムなどでウエイトトレーニングやマシンを使ったトレーニングなど、高負荷での筋トレで鍛えたりすることが可能です。一つ一つの筋肉を意識しながらでき、身体の変化が目で見てわかる特徴があります。インナーマッスルの場合は、アウターマッスルのように高負荷でのトレーニングでは鍛えることができません。弱い負荷で、ゆっくりと行う動作で鍛えるられます。

インナーマッスルって鍛えづらい?
最初にも少し話した通り、インナーマッスルは自分自身で意識することができなく、鍛えるのが難しいとされます。なので、衰えやすい筋肉なのです。プロの選手でも鍛えるのが難しく、専属のトレーナーに指導を受けながら行っているそうです。

皆さん、JOYトレはご存知ですか?

 

JOYトレとは、バーンコアという機械で行うEMSのトレーニングで、約20分間横になったままで、身体深くのインナーマッスルを鍛えられる本格的トレーニングです。エムキューブという日本・アメリカ・イギリス・フランスなど8カ国で特許を取得した波形を用いた機器で、125,000Hzという周波数で、あなたの筋肉を刺激します!

 

 

 

 

 

 

 

インナーマッスルは身体の深部に存在するため、鍛えることが難しい部分です。JOYトレはそのインナーマッスルのある深部にまで電気刺激が届くので、鍛えられます。インナーマッスルが弱っていくと、姿勢不良や腰痛、尿障害、便秘などの症状が現れます。しかし、このJOYトレで弱ったインナーマッスルを鍛えることで、姿勢や腰痛、便秘等や、アウターマッスルも鍛えられるので、様々な症状に効果が期待できます。

 

 

JOYトレは簡単にインナーマッスルを鍛えられるので、運動が苦手な方や続かない方、産後太りが気になる方にもオススメです。

皆さん、JOYトレでインナーマッスルを鍛えて、痛みの改善、そして痛みの出ない身体作りをしていきませんか?

 

2022.11.15

皮膚炎・褥瘡などの「おしり」周囲の皮膚トラブルについて

つつみ鍼灸整骨院の菅野です。今回は高齢者に意外と多い「褥瘡」などの、おしりまわりの皮膚トラブルについてお話させていただきます。

鍼灸整骨院でおしりが痛いというと椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの腰痛関連のご相談はもちろんありますが、坐骨・尾骨など肛門部付近の表面の皮膚炎や褥瘡などの悩みを訴える方もいらっしゃいます。

 

 

 

褥瘡・床ずれとは

寝たきりなどによって、長い時間体重がかかり、体の一部が圧迫され続けることで、皮膚に栄養がいきわたらず、組織が損傷してしまうことを言います。初期症状は肌に赤みが見られ、進行すると内出血や水泡になります。さらに重症化が進むと壊死し、皮下脂肪や筋肉などまで傷が広がる治りづらい状態になってしまいます。その傷から雑菌が入り感染症を引き起こしやすいリスクもあります。

骨が突き出している部分に強く圧迫がかかりやすいため、仙骨部や坐骨部もなりやすい部位の一つです。褥瘡は数時間という間に発症しますが、治療はすぐには治らず時間がかかる病気です。そこでなる前の予防が重要になります。

 ・体位変換をする

2時間ごとに行うことが理想的で、好発部位にエアマットレスやクッションなど体圧分散する寝具を上手く利用することで、圧迫される箇所の負担を軽減させます。

 ・栄養バランスの良い食事と水分をとる

食事量が少ない方は栄養価が高い食品とり、身体の栄養状態を保ちましょう。

 ・清潔を保つ

排泄物や汗により皮膚への刺激が加わって炎症を起こしやすい状態になります。

下着やおむつ等は通気性の良いものを使用し、もしも汚してしまった場合はぬれたままの状態を長時間にならない様に気を付けましょう。

 ※ステロイドや抗ガン剤などの副作用で免疫力が下がって皮膚がもろくなることもありますので、服用しているお薬の内容を確認する事も大事です。

 

 予防可能な疾患ですが、体調不良や食事が思うようにできなかったり、充分に注意していてもなってしまう事もあります。初期状態での早めの治療と重症度に合わせた治療が必要になる可能性もありますので、心配な場合はすぐかかりつけのお医者さんや看護師さんに相談しましょう。

ご自宅で塗薬を使用し様子を見ている方に鍼灸治療もオススメです。鍼灸治療に皮膚炎などのイメージがない方もいると思いますが、免疫系もかかわっている症状に鍼灸治療は有効的です。

 重度になる前の褥瘡部位の周囲鍼灸治療を行うことで組織の血行をよくし、皮膚の再生を促進させることや、寝たきりの状態が長い方には関節の拘縮や筋肉の緊張や萎縮のためのケアを目的とした治療も行っています。

 皮膚ケアで実際に使用しているツボのご紹介もさせていただきます。

 

・太淵(たいえん)手首の内側、親指の付け根の凹み、触ると脈の拍動を感じるツボ。皮膚炎だけでなく呼吸器疾患にも効果がある

 

 

 

 

 

・曲池(きょくち)肘の外側で肘を曲げた時にできるしわの先端にあるツボ。肌荒れや乾燥肌、吹き出物などの肌トラブルに良い

 

 

 

 

 

 

・腎兪(じんゆ)ウエストのくびれのラインの背骨から指2本分外のツボ。冷え性にも有効的で血流を良くする

 

 

 

・肩髃(けんぐう肩の前面部で腕の境目付近のくぼみにあるツボ。かゆみ、アレルギー疾患にも効果がある

 

 

私は主に往診で訪問の鍼灸治療を行っています。患者さまの中には女性の方も多くデリケートな場所に皮膚の炎症や褥瘡の初期症状が出てしまい、恥ずかしい気持ちや自分ではどうなっている状態か分からないから病院に行った方がいいのか迷っているというお話もよく聞きます。

 

 

どのようなお悩みにも色々な提案が出来るよう努め参りますのでお気軽にご相談ください。

2022.11.09

気圧や天気変動での不調について

つつみ鍼灸整骨院の真船です。今回は「気圧や天気変動での不調について」というテーマについてです。

 

今年は夏から秋にかけて特に台風続きだったり、ここ最近では朝晩の気温がすっかりひんやり感じられるようになりましたね。

このような気候や天気の大きな変化があると途端に体調を崩す方が増える傾向がありますが、これも自律神経が乱れることでおこる不調であり、【気圧症】または【気象病】などと言われています。

耳の中にある内耳という所に存在するセンサーが急激な気圧の変化を感知すると、脳に過剰に情報が伝わり交感神経を刺激してしまい様々な症状を引き起こします。

なかでも多くみられる症状では、

・偏頭痛

・めまい

・耳鳴り

・不眠

・倦怠感

・むくみ

・お腹の不調

・関節痛

・神経痛

などがあります。

このような症状を引き起こす原因を東洋医学では『湿邪』と言います。
湿邪とは、湿気や余分な水分を意味します。
夏の間に摂取した冷たい飲食物やエアコンでの冷えなどで取り込まれた湿が体内に溜まると、のちのちの体調不良の原因になり得るのです。

溜まった湿を上手に追い出すには、、
汗をかくこと!
ウォーキングなど軽く汗をかく程度の運動や、半身浴など。じんわり汗をかく程度に入浴して、体から余分な湿を排出しましょう。
飲食物も常温〜温かいものをとり入れるようにすると内側の冷えも防げます。

 

 

 

 

 

ーー湿邪に効くツボーー

○陰陵泉(いんりょうせん)
すねの内側を骨に沿って撫で上げて指がとまるところ。
余分な水分の巡りを良くするツボです。冷えやむくみに効果的。

 

 

 

○湧泉(ゆうせん)
足の裏、指を丸めた時にできるくぼみの中央部分。
これからの季節、冷えに効果的!

 

 

 

○翳風(えいふう)
耳たぶの裏付け根のくぼみ。
耳鳴りやめまい症状に効果的です!

 

 

 

○中脘(ちゅうかん)
おへそから指4本分うえ。
お腹の調子や自律神経を整える効果があります。

 

 

東洋医学では、「天人合一(てんじんごういつ)という言葉があります。これは「天も人も一つのもの」という意味です。
自然と人間は共に生きていて、人間は自然の中で生かされているという考えです。そう考えると、気候や天気の影響を受けるのも納得ですね。
この先、秋から冬に季節が移行していき自然界も人体も急激に乾燥していきます。
余分な湿を出した後にはしっかり保湿の蓋をするのが大事です!必要な水分まで出過ぎて乾燥が進まないように温かくしてお過ごしください。

2022.10.17

毛穴トラブルについて

こんにちは!つつみ鍼灸整骨院の飯村です。

 

今回は「毛穴トラブル」について投稿していきます。

毛穴のお悩みについてとあるエステ会社の調査によると「毛穴について悩んでいますか?」の質問に対して悩んでいると回答した方が76%いたという結果があります。

約7~8割もの方が毛穴に対して悩みを抱えている現状がありますのでそのお悩みに対して少しでもお力になれたらと考えております。

毛穴のトラブルには種類があります。

つまり毛穴

ひらき毛穴

たるみ毛穴

では、それぞれの特徴をみていきます。

つまり毛穴

毛穴についての訴えで最も多いのが「毛穴に汚れが詰まっていて黒ずんでいる」というものです。角栓のケアが大切になります。

ひらき毛穴

こちらは遺伝的な要因も関わってくると言われています。皮脂腺の成長が良く、大きい方がこのタイプになります、皮脂分泌のコントロールが大切になります。

たるみ毛穴

毛穴周りのコラーゲン、エラスチンの低下が毛穴のゆるみを作り広がって見えているタイプです。コラーゲン、エラスチンの強化、ケアが大切です。

~改善方法~

①、②に関しては日々のスキンケア(クレンジング&洗顔のダブル洗顔、保湿)が重要です。

毛穴パックで角栓を取ったり、ピーリング、吸引などでケアする方法もありますがやりすぎには注意が必要です。

③に関しては紫外線ケア、睡眠を充足させる、禁煙、ホルモンバランスを整えることが重要です。

ピーリング、ビタミンCイオン導入なども行なわれています。

美容鍼を行なうことはコラーゲン、エラスチンの産生促進に繋がりますのでおススメです。

 

ここからはお家で簡単にできるセルフケアとしておススメのツボをご紹介します!

迎香(げいこう)

(小鼻の脇にあるツボ)

 鼻周りの血流促進 肌荒れ予防 腸ケア ほうれい線ケアに使用されるツボです。

 

 

 

 

 

四白(しはく)

(瞳孔の延長線上で下降した際に眼窩の次にあるくぼみのツボ)眼の血流促進 頬のリフトアップ 

 

 

 

 

 

 

 

 

③合谷(ごうこく)

(手の背側で母指と示指の交わるところのツボ)

 顔面部の血流促進 アレルギー対策 腸ケア 頭痛歯痛に対して

 

 

 

 

~最後に~

当院では美容鍼及びEMSにてリフトアップ、小顔、肌質改善を行なっております。またヒト幹細胞培養液を使ったREIZ(ライツ)施術にてビタミンC導入や毛穴ケアも行なえますので合わせておススメしております。

肌トラブルでお悩みがある方は1度ご相談されてみてはいかがでしょうか??

2022.10.17

圧迫骨折について

つつみ鍼灸整骨院の菅野です。今回は往診担当の私が最近相談を受けた「圧迫骨折」についてご紹介致します。

 

圧迫骨折とは

脊柱圧迫骨折といい、背骨に上下方向からの大きい力が加わる事で生じる背骨の骨折の事です。本来はそう簡単につぶれてしまうことはありませんが、高い所からの落下などの縦方向に強い負荷がかかった時に起こります。転んだり、尻もちをついたり、何かを持ち上げる動作などでも起こる場合があります。

 原因

主な原因は「骨粗しょう症」が要因にあります。骨粗しょう症は高齢者に多くみられ、骨密度が低くなり骨がもろくなっていく状態です。耐久性が低くなった骨は、少しの転倒でも、背中への衝撃に耐える事が出来ず、脊椎がつぶれてしまう可能性が高くなります。くしゃみや咳をしただけで発生した症例もあります。閉経後の女性に特に多いですが、年齢・運動・喫煙などの生活習慣にも関係があります。

 圧迫骨折の症状

骨粗しょう症が要因で起こる圧迫骨折は胸腰移行部に生じることが多く、立ち上がり、歩く、かがむなどの姿勢が変わる動作に関連して、骨折部に疼痛がみられます。痛みの程度はさまざまで、日常生活が著しいく制限される程の痛みが出ることもあります。

骨折をしていても痛みをそこまで感じない場合もありますが、痛みを感じずそのまま放置すると、さらに脊椎の他の部分も傷付けてしまう可能性が高くなる場合もありますので、一度早めに診断と処置を受ける事をオススメします。

 何年も前に起きた圧迫骨折であっても、いつまで経っても骨癒合が得られない偽関節になってしまうと、身体を動かすたびに骨が動いて、重い痛みや痺れが生じる事があります。重度になると神経麻痺になり寝たきりの原因となるケースもあります。

 いくつもの場所に多発性に骨折が起こると背中が丸くなり、身長が低くなります。

 転落などの大きな外力による外傷性椎体骨折の場合は、他の軟骨部に損傷を伴う事も多く、脊髄損傷を生じる場合や、骨折部位によっては重症では両下肢麻痺を生じる可能性があります。

 ※腫瘍などの転移による病的椎体骨折の場合

肺がんや乳がんが骨へ転移した腫瘍(転移性骨腫瘍)が、転移した部分は弱くなり、少しの外力で骨折してしまいます。骨折部の動作時痛だけでなく安静時にも痛みます。

 治療

レントゲン検査、MRI検査で診断され、骨粗しょう症が疑われる場合は骨密度も測定されます。重度の骨折の場合は手術が必要になりますが、軽度の骨折の場合は簡易コルセットなどの固定をし、前かがみなどの痛みが出る動作をできるだけさけ、安静を心がけます。

 当院でも圧迫骨折の方の疼痛の緩和のケアとして鍼灸治療を行っております。痛みの場所からその周辺の関連痛などの緩和を目指し、圧迫骨折の後遺症としての慢性腰痛や下肢の筋力低下で歩行不安定感もサポートさせていただいています。

 

背中・腰部の痛みに効果的なツボの紹介もさせていただきます。

委中(いちゅう)

膝裏の中央にあるツボ

→ふくらはぎの筋肉をゆるめるだけでなく、背腰痛にも効果がある

 

 

 

 

腎兪(じんゆ)

ウエストのくびれラインで背骨から指2本分外側

→背腰部筋肉の緊張をとり、水分代謝を促す

 

 

陽稜泉(ようりょうせん)

膝下の外側にある骨の出っ張りの下側のくぼみ

→腰痛を和らげ、足の筋肉の柔軟性を高める

 

 

 

 

太衝(たいしょう)

足の甲にある親指と人差し指の間を足首に向かってなぞった時のくぼみ

→腰部痛み・重さの軽減、自律神経を整える効能もある

 

 

 

圧迫骨折のケア以外にもよく使うツボになりますので、セルフケアにもぜひご活用ください。

 私が担当する往診の患者さんからも何かの拍子に転倒してしまい、痛めてしまったり、不安になったりするお話をよく聞きます。病院に行った方がいいか分からない、なかなか痛みがひどく良くならないなど、一度状態を確認させていただければと思いますので、お気軽にご相談ください。

2022.09.25

パーキンソン病について

つつみ鍼灸整骨院の菅野です。今回はたまにテレビなどでも紹介されるパーキンソン病についてご紹介させていただきます。

 

パーキンソン病とは

脳の脳異常のため身体の動きなどに異常が出る病気です。高齢者に多く日本では1000人に1人の割合で発症し、日本には約20万人の方が罹患しているといわれています。若い方でも発症することもあるので若年性パーキンソン病と呼ばれています。

 

原因

身体を動かすために脳の大脳皮質から全身の筋肉に指令を送ります。この時指示通りに身体が動くように運動の調節をしているのが,神経伝達物質の「ドパミン」です。ドパミンは脳の奥にある「黒質」で「ドパミン神経」が作られてます。このドパミン神経が減少し、充分に作られなくなると、運動の調節が上手くできず、身体の動きに障害がでます。

 代表的な症状として

・歩く速度がゆっくりになる。(歩幅が狭く、動作が遅い・少ない・小さい)

・安静時でも手や足が震える

・バランスがとりずらくなる。重心が不安定な時に姿勢を立て直す事が出来ず、転倒してしまう。

・筋固縮が起こり、腕や足を動かそうとすると、関節がカクカクとする様な抵抗感が出る

 

運動以外にも、便秘、頻尿、冷え、めまい、発汗などの自律神経症状や、うつ症状や幻覚などの精神症状。物忘れや手順が分からなくなる認知障害、不眠や昼夜逆転などの睡眠障害、嗅覚障害などもみられる事があります。疲れやすくなったり、肩・腰・手足も筋肉ににも痛みが現れたり体重減少もその一つにあげられます。現在は効果的な治療薬も開発され、進行もゆるやかになる傾向にあります。早い段階から治療を始めることが大事です。

 ※先ほどの特徴的な運動症状はパーキンソニズムとも呼ばれ、脳や神経のほかの病気や薬物の副作用でも起こりうる可能性があるため、病院できちんと検査を受けることをオススメします。このパーキンソン症候群の場合はパーキンソン病の薬はほどんど効かないため、今後の治療をしっかり選択するためにも鑑別が重要です。問診や神経学的な診察、動作や歩き方の確認、MRIなどの画像検査など、医師がしっかりと診断して適切な治療を提案していただけると思います。

 治療

根本治療する方法は現在まだ研究中ですが、症状を緩和を目的とする対症療法が中心となっています。薬物治療もとても大事ですが、長期に行うと副作用や薬が切れた後の反動などの問題が出てくる可能性があります。そこで手術療法という選択もありますが、運動訓練・リハビリ・鍼灸治療なども日々のケアとして重要です。

 実際に鍼灸治療で使用しているツボをご紹介いたします。

 

足三里膝のお皿の下から指4本分。すねのすぐ外側にあるツボ

胃腸の働きを整えるツボとしても有名ですが、足のトラブルにも有効です。

 

 

 

 

 

天枢へそから指3本分外側の左右にあるツボ。パーキンソン病の患者さまの悩みの多くに便秘の症状があり、お腹の調子を整えてくれる効果があります。

 

 

 

 

百会頭頂部にある、両耳の先を繋いだ線と身体の中心が交わる少し凹んでいるツボ。

頭をすっきりさせ、精神安定、快眠など頭部に関する症状にも使用します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合谷人差し指と親指の骨が交差するくぼみにあるツボ。

腹部の調子や自律神経を整えるだけでなく、肩こりやストレス軽減にも繋がる優秀な場所。

 

 

 

 

 

 

他にもその方の症状やお悩みによって治療も異なりますが、運動器へのアプローチや自律神経関連のものまで出来るかぎり対応させていただきます。

 当院までなかなか歩行状態が難しい方は往診もありますので、お気軽にお問合せください。初回無料体験というかたちでも、お身体の状態チェックから実際の治療と今後の提案までさせていただきます。

 

 

2022.08.27

複雑骨折ってどんな骨折?(本当にあった怖い話)

つつみ鍼灸整骨院の根本です。

本当にあった怖い話…皆さん、お盆はいかがお過ごしでしたか?自分はあっという間に休みが終わった気がします😭今回はちょ〜っち怖い夏の体験をお話します。

初めに…

 皆さんは複雑骨折と聞いて、どういう骨折を思い浮かべますか?たぶん多くの人は、「骨が粉々になったもの」や「何本か骨折したもの」というイメージを持っているんじゃないかと思います。でも実複雑骨折とは、開放性骨折のことを指しているんです!

皆さんが思っているのは、もしかしたら粉砕骨折のことかもしれませんね。

まず、骨折の定義および、骨折の固有症状について説明します。

骨折の定義

 「骨折とは、骨組織の連続性が完全にあるいは部分的に離断された状態をいう」と定義されています。骨の損傷は、損傷した骨自体が正常であるか、病的であるかによって分類され、骨折であれば、外傷性骨折と病的である骨折に分けられます。

骨折の固有症状

 骨折をすれば、骨折部に現れる特有の症状があります。

異常可動性

 骨折部における可動性で、関節であるかのように骨が動くものをいいます。

軋轢音(あつれきおん)

 骨折端部が触れ合って発生する音のことです。これは、骨折部に指をあてて、かろうじて触知できる程度のものが多いです。

転位と変形

 骨の位置が変わることを転位といいます。そして転位によって、外見上の変形が現れます。

 

複雑骨折と粉砕骨折の違いについて

複雑骨折=開放性骨折

 軟部組織が損傷し、骨折部と外界が直接交通するものです。細菌感染の危険性が高く、皮下骨折とは異なった処置が必要となります。

 開放性骨折は複雑骨折と呼びますが、粉砕骨折と混同しやすいので、勘違いしている人が多いことでしょう。次は、粉砕骨折とは何かをお話します。

粉砕骨折

 骨折は骨折線の走る方向によって、横骨折や斜骨折、縦骨折などに分類されます。粉砕骨折はその分類の中に含まれます。粉砕骨折とは、強大な外力によって発生し、骨折線が複数存在して、骨片の多いものをよびます。そして粉砕骨折は、徒手整復が不可能な骨折です。

以上が複雑骨折と粉砕骨折の違いです。

 複雑骨折は滅多に見られるものではありません。では今回、なぜそのような話をしたかと言うと…その複雑骨折を目撃してしまったからです😱(本人には了承済みです。)

 怪我したところを見せてもらったら、「あっ、素晴らしい👏」って思ったほどに皮膚が切れている状態でした。Aさん曰く、「指が無くなった!」と思ったらしいです😰「指を曲げると骨が見えるから、曲げるのが怖い。」と語っていました。傷口がぱっくり切れていたので、自分は一言、「骨洗われるよ」と。(開放創は汚染や異物が存在することが多い。よって洗浄される。)

レントゲンとMRIを撮ったところ、基節骨の縦骨折だったそうです。それと伸筋腱(指を伸ばす筋肉)も半分くらい切れていたとか…。手術にて、骨にボルトを、伸筋腱の縫合を行ったそうです。この状態では当分は安静ですね😅

資料にと頂いた画像です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと骨折してますね😅

画像を提供してくれたAさんには感謝です。一刻も早く怪我が治ることを願っています。

 

 

 今回は滅多にない症例のお話でしたが、いかがだったでしょうか?自分達もいつ大怪我するかは分かりません。日々気をつけて生活しなきゃいけませんね💦以上、お盆におきた本当にあった怖い話でした。

2022.08.22

肌トラブルの原因について

こんにちは!つつみ鍼灸整骨院の飯村です。

今回は肌トラブルの原因について投稿していきます。

様々な皮膚疾患が存在し、悩んでいる方は多いと思います。どのような皮膚疾患があるのか。そしてどのような原因があるのかを考えていきます。

 

~疾患~

〇アトピー性皮膚炎 〇接触性皮膚炎 〇脂漏性皮膚炎 〇蕁麻疹 〇褥瘡

〇熱傷 〇薬疹 〇肝斑 〇単純ヘルペス 〇帯状疱疹 〇挫瘡(ニキビ)

〇白癬 〇掌蹠膿疱症 〇虫刺症 〇酒さ 〇脱毛症 〇多汗症

〇疣贅(イボ)

~原因~

原因には外因内因が存在します。

外因

・紫外線 ・気温 ・湿度 ・エアコンの風 ・環境汚染 ・化粧品 ・ストレス ・物理的刺激 ・アレルゲン 

などの外部からの刺激による反応で起こるもの。 

 

 

 

 

内因

・体質 ・年齢 ・代謝の低下 ・免疫の低下、異常・偏食 ・内臓機能低下 ・便秘 ・血流不足 ・睡眠不足 

など内部環境から来るもの。

 

 

 

 

~疾患と原因として考えられるもの~

〇アトピー性皮膚炎

外因:アレルゲンとの接触、化粧品・スキンケア製品による刺激、乾燥、汗、物理的刺激、環境的な刺激、ストレス 

内因:食べ物、内臓機能低下、便秘、免疫低下、体質

〇接触性皮膚炎

外因:化粧品、金属製装身具、衣類、洗剤、医薬品

 

〇脂漏性皮膚炎 基本的には不明

外因:カビ ストレス

内因:睡眠不足 食生活の乱れ

 

〇蕁麻疹

外因:食べ物 薬剤 温度変化 ストレス 日光

内因:疲労

 

〇褥瘡

外因:長期の圧迫刺激

 

〇熱傷

外因:熱源との接触

 

〇薬疹

外因:内服薬 注射薬

 

〇肝斑

内因:女性ホルモンの影響の可能性

 

〇単純ヘルペス

外因:ストレス 紫外線 冷風

内因:風邪 免疫の低下 疲労 生理前 

 

〇帯状疱疹

外因:ストレス

内因疲れ 免疫の低下 睡眠不足

 

〇挫瘡(ニキビ)

外因:ストレス 

内因:皮脂分泌過剰 ホルモン分泌過剰 

 

〇白癬

外因:水虫患者との間接的な接触

内因:免疫の低下

 

〇掌蹠膿疱症 

外因:喫煙 歯科金属 の可能性

内因:扁桃肥大 慢性病巣感染 の可能性

 

〇虫刺症

外因:アレルゲンとの接触

 

〇酒さ 

外因:紫外線 アルコール ダニ 薬の副作用 過度のストレス 

ステロイドの長期服用 の可能性

 

〇脱毛症

外因:ストレス 疲労 

内因:免疫異常 アレルギー 遺伝 ホルモン

 

〇多汗症

外因:環境温度 薬剤副作用 感染 ストレス 

内因:ホルモン 代謝 神経異常 

 

〇疣贅(イボ)

外因:ウイルスとの接触

 

疾患に対しての内因と外因いかがだったでしょうか!

原因を理解して避けられるものは避けて、変えられるものは変えていく

自分ではどうにもできないものに対しては近くの医療機関に相談してみましょう。

 

ここからはお家で簡単にできるセルフケアとしておススメのツボをご紹介します!

今回紹介するのは

①腸ケアのツボ

②免疫力を高めるツボ 

③ストレス緩和のツボ

の3つです。

 

合谷(ごうこく)

(手の親指と人差し指の間ツボ)

胃腸の循環に関りがあり腸ケアとして活用されます。

(胃腸機能が悪いと必要な栄養分をうまく吸収することができず細胞に行き渡らない為、結果として肌荒れや乾燥、皮膚疾患へと繋がります。)

 

 

足三里(あしさんり)

(膝の皿のすぐ外下方のくぼみから指4本分下がったところ)

足の胃経という経絡のツボで吐腹の病は足三里と言い伝えられています。

アフリカにいる医師が足三里にお灸をするという活動を続けた結果、受けた方の免疫力が上がり感染症が減ったと言う事実があります。

 

③神門(しんもん)

(掌側手首の横しわの部分で小指側の少しくぼんでいる所にあるツボ)

手の心経という経絡のツボで心は精神状態に関わります。

心地よい刺激を入れることでストレスの緩和や睡眠の質を高める効果が期待できます。

 

 

~最後に~

当院では皮膚疾患の患者様に鍼灸での免疫の向上、腸ケア、自律神経の安定、

全身の血流改善に合わせて乳酸菌による腸ケアを合わせておススメしております。

肌トラブルでお悩みがある方は1度ご相談されてみてはいかがでしょうか??

2022.08.13

「頚椎性めまい」について

つつみ鍼灸整骨院の院長の松岡です。今回は「頚椎性めまい」についてです。過去にも「めまい」をテーマにしたブログも挙げたこともあるのですが、今回は頚椎関与のめまいを掘り下げていきたいと思います。

めまいの患者様は当院にも多く御来院されています。めまいの原因も多岐にわたりますが(メニエール病、前庭神経関与、小脳疾患、内耳症、先天性眼振症、聴神経腫瘍など)ある検査機関の報告によると、めまいの患者様1,000名を検査した結果、89%の方の原因は頚性関与のめまい(首が原因とみられるめまい)だったとの結果が出たそうです。

 

 

 

頸椎性めまいの症状は?

実際、当院に御来院される患者様も、頸椎の痛み】【鈍痛】【頭の動き(頸椎の動き)によってめまいが誘発される】【上肢へのシビレ、違和感】など頚椎に関連性のある患者様が多く、頚椎の正常な可動域(頸椎屈曲60°、伸展50°、左右回旋60°、左右側屈50°)が、頸部周囲の筋肉の柔軟性、頸椎の加齢などによる変形、椎間関節周囲の痛みなどによって保たれておらず、後頚部の板状筋や上部僧帽筋の過緊張がみられるケースがほとんどです。また、併発症状としては、胸の苦しさ、梅核気:ばいかくき(喉のつまり感)、目の奥の痛み、睡眠障害などの自律神経の乱れによる症状が多いです。ですので、頚椎性の「めまい」の症状緩和のポイントは、単に耳周囲の血流をよくするだけではなく、自律神経の乱れそのものを改善する必要性があるのです。

他の「めまい」の原因として臨床の現場でみられるものとしては、低血圧の関与の「めまい」もみられますが(起立性低血圧)頚椎性のものと比べると少数です。。血圧は姿勢や環境によっても日々変動しています。健常者であっても血圧は座った姿勢からの立ち上がりの際は、一過性に血圧は下がります。血圧が日常的に低い方は、立ち上がり時に更に血圧が低下し、脳血流量が減少し、めまいが起こります。あなたがもし、寝ている状態からの立ち上がり、若しくは座った姿勢からの立ち上がり動作での「めまい」では無く、日常的に血圧を測って特別低くないのであれば、低血圧の原因では無いでしょう

 

頸椎性めまいの治療方法は?

鍼灸をオススメします。鍼灸は、めまいの原因にもなる頚椎の周囲の筋肉の緊張や痛みの緩和、自律神経を整える効果があります。当院のおこなっている鍼灸は中谷義雄医学博士考案、京都大学で体系化された「良導絡自律神経調整療法」をおこなっております。良導絡の考えは皮膚の電気抵抗とストレッサーの関係性がベースになっています。自律神経と皮膚の電気抵抗は関連性があり、自律神経が乱れることによって皮膚の電気抵抗にも同じく乱れがおこることが分かっています。当院では自律神経の測定機(ノイロシステムビジョン:NSV)を用いて、患者様の自律神経の状態を測定し、どの経絡に異常がみられるか確認した上で施術致します。自律神経の状態は、日々のストレスや睡眠不足、疲労の蓄積など様々な要因によって日々変動しますので、毎回の来意時に自律神経測定機で確認した上で鍼灸施術をおこないます。

鍼灸に対しては「痛みの有無」など、何かと不安な方も多いと思います。鍼灸の受診経験の無い方は尚更です。当院ではメールや電話でのご相談も承っておりますのでご安心ください。自律神経測定機を受けてみてからの判断も可能です(測定自体は無料です)

※ 耳鼻科、脳神経外科等を受診されてお体の状態を確認されてからの鍼灸の受診をお勧め致します。脳神経関与などが原因の場合、鍼灸の適応症状ではございません。

 

1 2 3 4 5 6 10
BLOG 患者様の声 Facebook 巻爪治療