つつみ鍼灸整骨院BLOG

2024.06.11

膝関節の痛みの軽減に有効な運動は?

院長の松岡です。

 

 

 

 

 

今回はどちらかというと、ちょっぴり医療従事者向けの内容です。

膝関節周囲のトレーニングの一つである【パテラセッティング】を御紹介したいと思います。

 このトレーニング法は主に大腿四頭筋を鍛える運動として知られています。

 膝関節の関節運動にとって、大腿四頭筋の働きは非常に重要です。

 

大腿四頭筋は大腿直筋、中間広筋、内側広筋、外側広筋の4つの筋から構成されていますが、臨床上なかでも最も筋萎縮が起こりやすく、膝関節の伸展力向上、膝蓋骨の安定化に重要といわれているのが「内側広筋」です。

内側広筋は重要な役割を担う筋肉であるにも関わらず、筋萎縮が起こりやすいです。

 

であれば、当然四頭筋全体をトレーニングするよりも、内側広筋がより収縮する方法でのトレーニングの方が望ましいです。

 

今回私が紹介するパテラセッティングは、特に内側広筋の筋収縮が優位になる方法ですので、効率的に膝関節の歩行機能の向上や関節痛の軽減が期待できます。

 

是非ご自宅でおこなってみてください。

 

  • ①長坐位の状態で膝の裏に厚めのタオルを丸めて入れます


 

 

 

 

  •                                             
  • ②膝関節を屈曲し、膝の内側にタオルもしくはボールを挟みます

 

 

 

  • ③このボールを内側に挟み込みながら膝裏のタオルを強く押します

この運動は等尺性収縮ですので、血圧が上昇しないように息はゆっくり吐きながらおこなってください。

 

 

 

 

 

 

 

④サポートしてくれる方がいる場合、膝窩に手を入れてもらい、力が膝の直下に伝わっているかチェックしてもらうと良いです。ちなみに内側広筋は完全伸展で収縮し、四頭筋の中で一番最初に弛緩するともいわれているので、セッティングの際は、完全伸展は必須です。

 

 

 

 

 

 

また、内転動作をいれる理由は、内側広筋と大内転筋の腱は、膝関節周囲で癒合しているからです。国内のある研究においても内転動作を入れた方が内側広筋の筋活動が増加していることが報告されています。

  • この動作を30回毎日おこなってください。なれたらもっと増やしてみても良いです。

 

 最後に、パテラセッティングは等尺性収縮ですので、関節の可動域はさほど要しませんが、通常一般的におこなわれているレッグエクステンションやレッグカールをはじめとした膝関節周囲のトレーニングは脚力向上に、有効ですが前提条件として、膝関節の関節可動域が正常・もしくは正常に近い状態にあることが非常に重要です。

私の考えでは、正常可動域が不十分な状態であるならば、まずそこを治してから望むのがベストです。

 ちなみに膝関節の正常な可動域は、うつ伏せの状態であれば、踵がお尻に着くこと。もし付かないのであれば、筋短縮などによる質の低下、もしくは関節の拘縮(関節が硬くなっている)可能性もあります。(痛みで可動域制限がおこっている場合は別です)また、この状態でのトレーニングは、筋出力も本来よりも低下するため、筋肉自体も付きにくいです。

 また、今回はパテラセッティングの紹介ですので、このような形で紹介しましたが、ADLを考慮すると当然OKC(オープンキネティックチェイン)よりもCKC(クローズドキネティックチェイン)の方が効果的です。まあ当然ですよね。

 ですので内側広筋の筋力強化に特化するのであればクローズ状態でスクワット+内転動作を立位でおこなう運動がベストではないでしょうか?(年齢的・身体能力上可能であれば)

お悩みの方は是非、ご相談ください

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