つつみ鍼灸整骨院の根本です。
今回のテーマは最近よく見かける肘の疾患「上顆炎」についてお話したいと思います。
日常生活や仕事をしてる中で「あれ、肘が痛い!?」って思う事はありませんか?
その様に訴えて来院される患者さんは少なくありません。
上顆炎ってどこの事?
まず、上腕骨の下端で外側と内側に突出した所を外側上顆、内側上顆と言います。そこは体表から触れることも出来ます。その外側上顆には前腕の伸筋群が、内側上顆には前腕の屈筋群が付着しており、その付着部の炎症が上顆炎です。
外側上顆炎(テニス肘)
中年以降によく見られ、テニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と言われていますが、テニスをしない人でも、手をよく使う作業の人にも肘の外側に痛みが出るよく見られます。主に短橈側手根伸筋の起始部が肘の外側で障害されて生じると考えられます。
外側上顆炎は手関節の伸筋の起始部で変性をおこしたり、前腕浅層伸筋群付着部である外側上顆部の微小断裂、骨膜の炎症を起こしている状態です。
[症状]
手関節の背屈時に肘から前腕の疼痛や外側上顆付近の圧痛、熱感がある場合もあります。日常生活では、タオルを絞る動作や回内位で物を持ち上げる動作などの伸筋群が緊張する動作時に痛みが生じます。
内側上顆炎(ゴルフ肘)
テニス肘が肘の外側に痛みが生じるのに対して、ゴルフ肘は肘の内側に痛みが生じるのが特徴です。ゴルフをしている人に多く見られ、ゴルフで無理なスイングを続けたり、ダブったりするなど過度な負荷がかかり続ける事で炎症を起こし痛みが生じます。中年以降に多く、加齢による筋力の低下や柔軟性の衰えなどでも発症します。
[症状]
手関節を掌則に曲げる動作で肘から前腕内側に疼痛や内側上顆付近の圧痛を生じるのが特徴です。肘の屈曲動作や手関節を捻ったり、手を強く握ったりした時などにも痛みが生じます。
[治療]
治療としては患部の安静が原則です。
日常生活において上肢は必ず使用します。重いものを持つのを避けるなど意識をし、上肢の使用を制限して治療を行うようになります。疼痛が軽減すれば再発防止のために、ストレッチや筋力増強訓練を行っていくようになります。
ストレッチの方法
上顆炎になった時、又は予防のためのストレッチをご紹介します!
外側上顆炎の場合
痛みのある方の腕を前に伸ばし、しっかりと肘も伸ばします。
もう片方の手で手の甲を持ち、手のひら側に引きストレッチしましょう。
*指先を少し外側に向けてやるやり方もあります。
内側上顆炎の場合
外側上顆炎とは違い手のひらを上にして、しっかりと肘を伸ばします。
もう片方の手で手のひらを持ち、手の甲側に引きストレッチしましょう。
*指先を内側に少し向けるやり方もあります。
このストレッチを15秒程度2~3セット、持続的に伸ばすことをお風呂上がりや運動後などに行うと良いでしょう。
*お風呂上がりは、体が温まり、血流が促されており、筋肉が伸びやすいです。
*運動後は、筋肉が緊張状態にあり、硬くなっています。運動後の疲労を残さないように、ストレッチでゆっくりと筋肉を伸ばすようにしましょう。
ポイント…ストレッチをする際は、呼吸を止めず、しっかりと伸ばす筋肉を意識して行うことが大切です。
以上、上顆炎の事について話してきました。
上肢は、仕事や家事で毎日の様に使います。使わないで日常生活を送ることは困難です。なので安静が難しく、なかなか症状が取れないこともあります。この様な症状にお悩みの方たちのサポートをしていきたいと思いますので、何かありましたらお気軽にご相談ください。