つつみ鍼灸整骨院の院長松岡です。
今回はメニエール病についてです。
メニエール病の患者様は近年増加傾向で、30代から50代の男女に多く見られます。めまい等を伴うため日常生活に支障を非常に来たし、当院にも、とても多くの患者様が御来院されております。メニエール病は内耳のリンパ水腫による循環不全という説が有力とされていますので、内耳周囲の血液の循環をよくするということが、症状改善にとって、とても重要になってきます。解剖学的には、内耳は聴覚を司る「蝸牛」と、平衡感覚を司る「前庭」や「半規管」からなり、この中はリンパ液でみたされています。内耳には外リンパと内リンパで満たされていますが、内リンパの増えすぎた状態を内リンパ水腫といいます。
メニエール病の症状は?
メニエール病は、耳鳴り、難聴、回転性めまい、耳閉感が主症状で、自然治癒もありますが、完治まで数ヶ月を要することも多く、難治も多く見られます。メニエール病は内リンパ水腫による内圧上昇によって感覚細胞を乗せて振動する蝸牛基底板の動きを全体的に悪くするので、低音型の内耳性難聴になります。耳鳴や耳閉感として現れることも多いですが、内リンパ圧の正常化によって回復します。
・メニエール病を発症する方の共通点は?
メニエール病の患者様には水分代謝障害が起こっていることが多いといわれています。実際に血中の抗利尿ホルモン(ADH)の高い例が多く、耳周囲の血流の改善もそうですが、抗利尿ホルモンを抑制することが鍵になります。また、原因と言われる「内リンパ液の産生・吸収」には自律神経が大きく関与していると言われており、自律神経の乱れも整えることもメニエール病の症状の緩和には必須です。
・そもそも自律神経とは?
自律神経は呼吸や排泄、睡眠、発汗、生殖、消化吸収など、自分の無意識下で働いている神経で、交感神経と副交感神経にわけられます。この交感神経と副交感神経が自律的に身体機能を調節することによって、生命が維持されます。睡眠中に呼吸や消化、心臓の拍動が止まらないのも、自律神経がそれら内臓の機能の調節を勝手におこなってくれているからです。
しかし、多岐に渡る身体の機能を調節する神経ですので、ストレスや睡眠不足などが原因で自律神経に乱れが生じると、様々な不調症状がでます。メニエール病もその一つと言われています。鍼灸のその効果は、WHO(世界保健機構)でもしっかりと認められており、WHOが認める鍼灸適応疾患の中に当然メニエール病も入っています。鍼灸は自律神経、ホルモンバランスの乱れ等に作用し、副作用の無い安心・安全な施術方法と言えます。
・鍼灸ではどのようなことをおこなっていくのか?
メニエール病の症状の軽減のためには、自律神経の働きを正常にしていくのが重要ですので、鍼灸の施術は最も適した施術方法であると考言えます。自律神経を整えるツボは全身に分布していますので、耳周囲だけの施術ということではありません。全身には経絡というツボとツボを結ぶ線路のようなものが何本も流れています。病気や身体の不調がある場合、それに反応して経絡も乱れが起こりますので、その流れを整えます。目の周囲のツボや身体の水分のバランスを整えるツボの調整も必要です。それらの効果のあるツボを使用することにより、自律神経が整うことはもちろんですが、耳周囲、目周囲の血液の循環も増加しますので、反応の良い方は施術の最中に、めまい、耳鳴り症状の減弱を体感される方もいらっしゃいます。
当院の鍼灸治療は、自律神経の専用の測定機(ノイロシステムビジョン)を用いて、自律神経の状態を確認して上での鍼灸の施術になります。測定の際も全く痛みもなく、自分のお体の状態が把握できるので、皆様納得していただけていると思います。
施術に関し不安な点や、質問などございましたら遠慮なく電話やメールなどで連絡ください。この病気で悩まれる方が一日でも早く、苦痛から解放されますように願っております。